豆蔵、対話型AIエンジン『MZbot』において、「ルールベース型対話方式」と「AI/機械学習型対話方式」の課題を解消する「ハイブリッド型対話方式」に関する特許を取得

株式会社豆蔵デジタルホールディングスの事業会社である、株式会社豆蔵(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:中原 徹也、以下 豆蔵)は、自社開発した対話型AIエンジン『MZbot』において、「ルールベース型対話方式」と「AI/機械学習型対話方式」の課題を解消する「ハイブリッド型対話方式」に関する特許を取得したことをお知らせします。
 

特許登録情報

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第7018278号(P7018278)
発明の名称 情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
特許権者 株式会社豆蔵
特許登録日 2022年2月2日
J-PlatPat https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2017-179473/BB02261162BBD…

特許取得の背景

近年、コンピュータが人間に代わって対話を行う「チャットボット」が製品化されておりますが、その多くは、「ルールベース型」、または、「AI/機械学習型」のいずれかの対話方式(アルゴリズム)を採用して開発されております。
しかし、どちらの対話方式も、一長一短があります。チャットボットを導入するにあたって、自社の利用用途に合わない対話方式のチャットボットを採用して、想定した導入効果が出ずに、運用を継続することをあきらめてしまう事例も少なくありません。こうした問題を回避するためには、導入前に最適な方式のチャットボットをPoC等で十分に比較検証を実施する必要がありました。

【ルールベース型対話方式の主な特長】
事前に作成したシナリオ(定型データ)に沿って回答を導出し、会話をおこなう方式です。間違った回答をすることが少ないといったメリットがある反面、利用者に対して定型的な質問しか回答できないといった問題が発生します。そのため、あらかじめ利用者からの質問を予測し、あらゆる回答を網羅するようなシナリオ作成して登録する必要があり、管理者のシナリオ作成の手間が想定以上に大きくなってしまうというデメリット(課題)があります。

【AI/機械学習型対話方式の主な特長】
ルールベース型とは対照的に教師データ(非定型データ)を登録し、自然言語解析(NLP)や統計情報を使用して回答を導出する方式です。どのような質問に対しても、最も近しい回答の引き当てを行うので、回答できないケースが少ないというメリットがあります。反面、機械学習の学習量が少ない初期段階では、利用者が求めている回答と異なる回答をしたり、質問する度に回答が変動する(※1)といった問題が発生します。そのため、管理者の回答精度向上(チューニング)の手間が大きくなるというデメリット(課題)があります。また、精度向上の方法もチャットボット製品毎に異なるため、採用した製品の仕様によっては思うような回答精度が出せないという問題も発生します。

※1:極端な例としてチャットボットに「あなたの名前は?」を質問した場合に最初は「私は太郎です」と回答していたが、ある時期から学習の内容から「私は花子です」と回答をしてしまうようなことが発生します
 

特許概要(※2)

本特許の技術は、上記二つの対話方式の双方の課題を解決すること目的として研究・開発されました。
「第1エンジン部」となる「ルールベース型対話方式」の対話エンジンと、「第2エンジン部」となる「AI/機械学習型対話方式」の対話エンジンの二つのエンジンを併用することで、「入力処理部」から受け付けた質問文を、まず「第1エンジン部」で処理した後、「第1エンジン部」で回答できない質問については「第2エンジン部」に処理を引き渡して、「出力処理部」へ回答を表示する仕組みとなります。これによって、シナリオ作成の手間の削減と回答精度の向上の両立が可能となります。
さらに、抽象度が高い質問文(あいまいな質問文)が入力され、「第1エンジン部」と「第2エンジン部」の両方の処理を通過しても、回答候補が十分に絞り込めない場合が発生した場合には、「第2エンジン部」で学習済みの特長キーワードを選択肢として質問者へ返却し、質問者が選択肢の中から該当するキーワードを選択することができるようになっています。このように段階的に、より精度の高い絞り込み処理を経るため、利用者の質問の意図からはずれた回答の返却を防止することが可能となります。

図.処理フロー概要
 

※2:本概要説明は特許出願文を可能な限りわかりやすく説明するために要約した内容となっており、出願内容の全内容を網羅し、解釈を完全に保証するものではございません。より精緻な情報の確認が必要となる場合は、先述の特許情報システム(J-PlatPat)のリンク先にある公開文献をご参照下さい
 

特許技術によって得られる効果

「ルールベース型対話方式」「AI/機械学習型対話方式」の両特性を持つ本特許技術の「ハイブリッド型」のエンジンは、利用者からの質問内容に応じて、エンジンを自動的に切り替えて処理をするため、「ルールベース型」における「シナリオ作成の手間」や、「AI/機械学習型」における「回答の精度向上(チューニング)の手間」を大幅に削減することが可能となります。
また、導入企業にて、「ルールベース型」「AI/機械学習型」のチャットボットを比較検討する必要も、利用用途に応じて使い分ける必要も無くなります。
 

今後の計画

対話型AIエンジン『MZbot』では、本特許技術に基づくアルゴリズムは既に実装され、導入企業において既に効果が認められております。対話型AIエンジン『MZbot』関連の特許出願は本件以外に2件(特開2020-013281、特開2022-019441)ございますが、今後も製品開発の中で得られた新規性が認められる機能やアルゴリズムについては特許出願を進めていく予定です。
 

MZbot製品サイト

MZbotに関する詳細については製品サイトをご覧ください
https://www.mzbot.jp
 

商標・特許について

■  MZbotは株式会社豆蔵が日本においての登録商標です

■  その他記載されているサービス名、製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です
 

プレスリリース(PDF)

 

本件に関するお問い合わせ

株式会社豆蔵 営業本部 第四営業部
TEL:03-5339-2114
ウェブよりお問合せ
MAIL:mzbot-contact@mamezou.com